毒舌メイド 【完】
「この男は、自分の母親を、病気にしたんだぞ!!」
おっさんのその一言に、俺は固まった。
「・・・・・・っそ、それが、なによ。」
愛華が、俺を庇うように立ってくれる。
・・・ダメだ。
俺を庇うと、みんな不幸になるんだ。
母さんは、俺を・・・突進してくる大型トラックから庇って―――・・・。
愛華と、母さんの姿が重なる。
「・・・愛華、もう・・・いい。」
「・・・・・・え? 悠馬くん? 何が・・・?」
「俺と・・・関わらない方がいい。」
俺に、出来ることは・・・これだと思った。
愛華はきっと、俺と関わっている限り、庇おうとする。
俺には、そんな愛華を守る力なんてない―――・・・。
「・・・俺を、1人にしてくれ。」
おっさんの顔が、どんどん笑顔になっていく。
・・・・・・趣味、悪い。