毒舌メイド 【完】
「うん。よかった。」
悠馬はそう言って、幸せそうに笑った。
「私〝嫌い〟って言われた時、傷ついたんだからね。悠馬くん、分かってる?」
「・・・うん。ごめんな。」
「うん。まあ、いいわ。けどね、悠馬くん。真桜ちゃん、もっと不機嫌になってるよ?」
そう言って、愛華さんは、私を指さす。
「・・・ほ、ほんとだ・・・。」
「・・・ホントだじゃない。もう、知らない!」
すっかり、ふてくされた私。
帽子を目深にかぶって、窓の外を見た。
拒否。2人とも、知らない。勝手に、いちゃいちゃ、してなさい。
「・・・で? そのあと、愛華さんは、どうしたの?」
「愛華さんじゃなくて、愛華ちゃんって呼んで?」
「・・・ちゃん付けとか、キモイし。愛華って呼ぶ。」
愛華さ・・・じゃなくて、愛華は「それでもいいよ~。」と言って笑う。
「うんとね。お父さんと絶交して、おじいちゃんの所で暮らしたの。」
「へー。そうなんだー。」
「・・・なんか、バカにされてる気がしちゃう。」
愛華、私の返事に不満みたい。