毒舌メイド 【完】
…………なんなんだよ、その目は。
「お礼?」
そう言った水城の表情には〝嬉しい〟なんて感情は見え無い。
………ちょっとは嬉しがれよ。
ってか、どさくさに紛れて〝成本君〟じゃなくて、〝成本〟になってるんだけど、呼び方が。
「もうお礼とか言わねぇよ、バカ」
俺は素っ気なくそう言って鞄を奪うようにして取った。
その時、周りからの異常な視線に気がついたんだ。
「何!? 水城が成本に、荷物持たせてる!?」
「水城さん、かわいそう!」
「成本君、サイテーじゃない?」