毒舌メイド 【完】
「なぁ、水城。客としていくんだから、無視しないよな?」
「さぁ? 不快だったら無視するけど」
私はそう言って、読み途中だった本に目を戻す。
一方成本は、紙とにらめっこして頭を悩ませていた。
羽石もその1人……のはずなのに、私に話しかけてばっかりだ。
つまり……私は“ご主人様”の居残りに付き合わされているのだ。
……仕事してるくせに、できないって異常だ。
国語の漢字やら、読解やらが苦手らしい。
「あ、この漢字わかんねー」
頭を抱える成本を見て、羽石はハイハイ! と手を挙げる。
「俺、わかるかも!」