毒舌メイド 【完】
不良×執事
~Mao~side
黄色い声が飛び交う教室は、私のクラス。
私は2年B組で、その黄色い声が向けられている本人とは無関係。
なのにその主は私の近くにわざわざ歩いて来てしまった。
今日は文化祭の準備の為、放課後の居残り中。
私はその作業を手伝わずに、本のページをめくる。
「何のんきに本読んでんだよ、このうるさい中で」
そう言うのは女子に人気者の……水城駿。
コイツは面倒なことに、自己紹介が出来なかったらしい。
いや……女子の黄色い声で、苗字の部分だけ聞かれなかったと言うべきか。