毒舌メイド 【完】
気が強い女が再び手を上にあげた。
その手は下がる前に誰かの手によって、動きを止められる。
「……駿」
真桜は驚いたように手を止めた駿を見る。
「頼むから……やめろ」
真剣な顔で頼む姿を見て、女は気まずそうに後ずさる。
しばらく駿の方を見ていたが、唇を噛みしめると教室から去って行った。
「駿……おせっかい。」
「あ? 俺が守ったんだぞ。珍しいんだから、ありがたく思えよ」
「……じゃあ、私がお礼を言うのも…珍しいかな」