毒舌メイド 【完】
駿が少し意味深な表情で言う。
そんな駿に、俺はニヤリと笑って見せる。
「何? まぁ、そりゃあ大好きな妹だもんなぁ?」
「っな……! 違う! バカ言ってんじゃねぇ!」
駿が、慌てて否定。
どうだか。と、俺は肩を竦めてみせた。
「あ、お前さ。お礼言われた時、なんで悔しそうにしてたんだ?」
何気ない質問のつもりだったけど、駿は気まずそうに目を逸らした。
今まで駿が目を逸らすことは、あまりなかったから少し驚く。
「俺が、アイツを守れなかったから」
それだけ言うと、駿は俺に背を向けて歩いて行った。