*あおいきといき*
私がそう言うと悔しそうに俯く


彼には申し訳ないけど
私にとってはバンバンザイだ。
1人そう喜んでると


『…竹内さん。
俺と勝負しないか?
俺が勝負に負けたらもう
友達になりたいとか言わない。でも、もし勝ったら俺らは友達

俺、あんなんじゃ
納得出来ないから。』


えっ…
勝負??


『ここから近くのコンビニまで
競争しない?
先に着いた方が勝ち。

もちろんハンデはつけるよ?
男と女なんだ、そうしないと
公正じゃないだろ?

どうかな…??』

そう私の顔を覗きこむ。



ふーん…。
勝負か。
しかもかけっこだ。
楽しそうじゃん…?

私はこう見えてかけっこは
得意だったりする。
いくら高橋君が男だからって
負ける気がしなかった。



「いいよ。その勝負乗った!
でもちゃんと約束守ってね?」


彼は私が勝負に乗らないと
思ってたらしく意外そうな
顔をしていた。

が、すぐに

『分かってるよ。
そっちもちゃんと守ってね?

ハンデは30秒でどう?
もっと必要かな??』



30秒か。
そんだけあったら充分だ。

「30秒で良いよ。
じゃあ私が走り出したら
30秒数えてね?」


そう得意気に笑ってから
私は走りだした。





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