*あおいきといき*
走り出してすぐに
道の端っこでうずくまってる
人を発見した。


「…………高橋…君?」


そう私が声をかけると


………ビクっ!!!

うずくまってる人が動いた。

『えっ…?
竹内さん??
なんでここに?』


あっ。やっぱり高橋君だった。


「高橋君こそこんな所に
うずくまってどうしたの?
さっきすごい音したけど…?」


私がそう言うと彼は少し
恥ずかしそうに…

『竹内さんの姿が見えて、
そっちばかり見てたら
標識に思いっきり
ぶつかっちゃってね…ハハッ』

そう言った。


なんか高橋君ってドジだよね…ドジじゃなければ
完璧なんだろうな。


なんて思っていると

グイッーーーー!!

「うわっ!!!」

急に高橋君が腕を
引っ張ってきたのだ。
突然の事で前のめりで
倒れそうになる。


しかし高橋君が
キャッチしてくれたから
ケガせずにすんだ。


『ねえ竹内さん。
ここにいるって事は
ゴールしてないって事?』


彼は私を捕まえたままだ。


ちょちょちょ…
離してくれ…。
てかゴールって??

……………。
あっ!!
そうじゃんかー。
今勝負中だ!

ヤバイヤバイ!
早くゴールしなきゃ。

そうワタワタする私を見て


『フッ。その様子じゃまだ
ゴールしてないんだ?
悪いけど、俺負けねえよ?』

そう不敵に笑うと彼は
私を置いて走りだした。





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