嗤う布団
がくっと枕から頭が落ちた。
眠りに落ちていた私は、夢現に頭をのそりと動かし、体勢をずらした。そして寝返りを打ったとき。
──あ。
肌という肌、それこそ髪の先までも息苦しく。同時に全ての感覚が告げていた。
暗闇に、なにかの気配を感じた。
それが現実の事なのか、醒めやらぬ夢なのかはわからない。
夢と現実の狭間に落ち込んでしまったまま、頭は冴え冴えとしているのに、いざ思考しようとすると霞がかかった様にぼんやりとしてしまう。
粟立つほどに何かを感じて寒気がするのに、体にはぶるとも震えが走らないのが不思議だった。
身動きしたらいけないとでも、本能的に察知しているかのようだ。
恐ろしい心地の最中、私が思い出したのは。
寝返りで、くしゃりと背に潰された白いシーツだった。