時を越えた日記
1
同窓会―――。
「これでいいか?」
友達に頼まれ、デビュー作に
サインをする。
「おい、見ろよ。我らが作家先生の
サインだぞ~。」
ほかの友達に僕のサインを見せびらかす。
「おい、やめろよ。」
「やめろって。」
「へぇ~、でもすごいよな~ほんとに夢
叶えたんだから。」
ほかの友達も言う。
「言っとくけど、こいつがデビュー
できたのは、俺が出版社にいた
おかげなんだからなぁ~。」
「で、新作はいつ出るんだ?」
「まぁ。そのうちな。」
作家としてデビューしたのは、もう
三年前、それ以来、一冊も本は出ていない。
当然それで食べていけるはずもなく、
工事現場でバイト。
それが現実。
ここから抜け出すためには、
新作を出すしかない―――。
同窓会の帰り道。
古本高価買取、と大きく書かれた本屋に
足を止める。
そこには、僕のデビュー作が三冊で
三百円で売られていた。
僕は、買って家に帰った。
「これでいいか?」
友達に頼まれ、デビュー作に
サインをする。
「おい、見ろよ。我らが作家先生の
サインだぞ~。」
ほかの友達に僕のサインを見せびらかす。
「おい、やめろよ。」
「やめろって。」
「へぇ~、でもすごいよな~ほんとに夢
叶えたんだから。」
ほかの友達も言う。
「言っとくけど、こいつがデビュー
できたのは、俺が出版社にいた
おかげなんだからなぁ~。」
「で、新作はいつ出るんだ?」
「まぁ。そのうちな。」
作家としてデビューしたのは、もう
三年前、それ以来、一冊も本は出ていない。
当然それで食べていけるはずもなく、
工事現場でバイト。
それが現実。
ここから抜け出すためには、
新作を出すしかない―――。
同窓会の帰り道。
古本高価買取、と大きく書かれた本屋に
足を止める。
そこには、僕のデビュー作が三冊で
三百円で売られていた。
僕は、買って家に帰った。