桜散りゆくとき。君消えゆくとき。
七分咲き
「桜ーっ!青空くん来たわよーっ!」

「はぁーい、今行くーっ」

桜…木ノ瀬 桜(きのせ さくら)は、緑花高校に通う2年生である。

「青空くんごめんね?いつも待たせちゃって…」

「いいんです、15年も一緒だとさすがに慣れました」

桜のお母さんが申し訳なさそうに謝るのを、冗談を交えて受け答える。

それが俺…雨宮 青空(あめみや そら)。

「ほら、桜早くしなさい!」

「青空おはよーっ」

急かす自分の母親をスルーしつつ、俺に笑顔を向ける。

あれ…こいつ…

「桜、お前そんなにスカート短かったか?」

俺が桜のスカートを指差すと、何故か慌てだす。

「み、短かくないよっ!みんなこんな感じでしょっ!!」

「そうなのよ~、桜ったら最近突然色気づいちゃって(笑)青空くん頼むわね~(笑)」

「………」
「………」

一瞬の沈黙。そのあと、困った顔をしながら桜は

「お母さん何言ってるの(笑)青空には彼女がいるんだから、いつまでも私の面倒ばかり見てられないんだよ(笑)」

と、悲しい笑いを含めて言った。

そうだ、俺には彼女がいる。
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