愛す、ということ
「名前、何?」
「何で初めて会った変な男に、名前教えなきゃいけないのよ」
「いーぢゃんかっ♪こうして会えたのも、もしかしたら偶然ぢゃないかもだし………なんちゃって…(笑)」
変態かよ…コイツ。
「…………藤原沙樹菜」
「沙樹菜か…」
「何よ……」
「いやっ何でもねぇ。俺は咲多優斗(サキタユウト)。よろしくなっ」
「………よろしく」
今考えたら、変な出逢いだったよね。
どこの誰だか分かんない人とこんな風に話して、自己紹介までしてるんだもん。
でも、これが、
あたしの人生、
そして、優斗にとっての
運命の歯車が狂い出した瞬間なんだ…。