愛す、ということ
「帰らねぇの?」
一人、ボーっと考えてると、不思議そうな顔した優斗があたしの顔を覗いた。
「…あー…うん。帰ろうか」
そう言って、あたしと優斗は屋上を出た。
結局、何しにここへ来たんだろ…
門まで行くと、優斗が聞いてきた。
「家、どこ?もう遅いし、送っていくよ」
「……いーよ。送らなくて」
「遠慮すんなよ。てゆーか、こんな夜遅くに女一人で歩かせられねぇだろ」
「律儀だな…(笑)」
「おぅっ!俺は男のなかの男だからなっ(笑)」
「はいはい。誰もそんな事聞いてないから」
「ひでぇなっ」
「………本当の事だし」
「ま、そんな事どーでもいいんだけど。(笑)」
「どーでも良いなら言うなよ」
「ははっ(笑)…んで、家どこ?」
「……ないよ。家なんか」
「はっ……?」
「……たったさっき、親に捨てられた」
「…………。」
「別に、そういう親だから。気にしないで。それぢゃ」
そう言って、あたしは歩き出した。
すると、
「待ってっ!」
優斗が呼んできた。
「………なに…?」
「俺んち、住む…?」