愛す、ということ
「そうなんだ…。」
「だから救いたいと思った。俺に出来る事は何でもしたいと思った。」
「だからあんなに優しかったんだ。」
「それだけぢゃねぇよ。」
「……?」
「李香の葬式んとき。俺、信じらんなくて。ぼーっと入り口でしてたんだ。そしたら沙樹菜が、『李香は人の笑ってる顔が誰より好きなの。だから笑ってよおよ。』って言ってくれたんだ、俺に。」
「あ…」
思いだした。
すっごい泣きそうな顔してたから。
なんだかほっとけなかった。
「だから屋上で会ったとき、次は俺が沙樹菜を笑顔にしたいって思った。」