愛す、ということ


今日は診察の日。



あたしの癌はかなり進行しているらしい。



前までは、余命を告げられても、入院してまで治療を受けて長生きしたいと思わなかった。



でも今は違う。



生きたいの。




優斗の隣で生きていきたいの。




ねぇ、神様。



これ以上何も望まないから…



優斗の傍にいさせて下さい。



少しでも長く生きたい。



でも入院するとなると、優斗に本当の事を言わなくてはならなくなる。



また、傷付けるかもしれない。



自分の気持ちを押し付けていいのだろうか。


病気の帰り道、不安と死んでいく恐怖だけが頭の中でいっぱいだった。



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