三度目のキスをしたらサヨナラ
ようやくたどり着いた防波堤の突端には、白い灯台と、海に向かってじっと座っている釣り客が数人いるだけだった。
灯台の扉には錆びついた鍵がしっかりかけられていて、中に入ることはできない。
これから更に灯台に上って景色を見なくてはいけないのかと思って、内心ビクビクしていたのに。
なんだか拍子抜けだ。
私は繋いでいたソウの手を離すと、1人でフラフラと歩き、灯台にもたれかかった。
「はぁ……っ」
頑丈な建物に身体を預けることができるっていいなぁ……なんて、しみじみ実感してしまう。
「怖かった?」
そう聞かれて、私は「うん」と頷いた。
ソウは私に背中を向けて防波堤の縁まで歩くと、海に向かってかかとを浮かせて、大きな背伸びをした。
見ているだけで、私は思わず「危ない!」と叫びそうになる。
だけどソウは楽しそうに私の方を振り返ると、
「ミナさん、見て。魚がいっぱい見えるよ」
と、海面を指しながら笑った。
いや、怖いから見たくないって……。
「やっぱり釣り竿、持ってくれば良かったなぁ」
ソウはそんなことを呟きながらゆっくりこちらへ戻ってくると、私の隣に並んで立った。
そして、自分の位置が風下であることを確認して、
「タバコ、吸ってもいい?」
と私に聞いた。
灯台の扉には錆びついた鍵がしっかりかけられていて、中に入ることはできない。
これから更に灯台に上って景色を見なくてはいけないのかと思って、内心ビクビクしていたのに。
なんだか拍子抜けだ。
私は繋いでいたソウの手を離すと、1人でフラフラと歩き、灯台にもたれかかった。
「はぁ……っ」
頑丈な建物に身体を預けることができるっていいなぁ……なんて、しみじみ実感してしまう。
「怖かった?」
そう聞かれて、私は「うん」と頷いた。
ソウは私に背中を向けて防波堤の縁まで歩くと、海に向かってかかとを浮かせて、大きな背伸びをした。
見ているだけで、私は思わず「危ない!」と叫びそうになる。
だけどソウは楽しそうに私の方を振り返ると、
「ミナさん、見て。魚がいっぱい見えるよ」
と、海面を指しながら笑った。
いや、怖いから見たくないって……。
「やっぱり釣り竿、持ってくれば良かったなぁ」
ソウはそんなことを呟きながらゆっくりこちらへ戻ってくると、私の隣に並んで立った。
そして、自分の位置が風下であることを確認して、
「タバコ、吸ってもいい?」
と私に聞いた。