三度目のキスをしたらサヨナラ
私はソウの笑顔に惹きつけられて、足を少しずつ防波堤の縁へと進めた。
何故だろう?
……もしここからソウの胸に飛び込めたら、私の中で何かが変わる気がした。
隠している歳のことや名前のこと、
口に出すのも辛い、蒼太との話の続き……
そんなことを、目の前にいるソウなら、全て受け止めてくれそうだった。
私はゆっくりと縁に腰掛けると、足を宙に投げ出した。
「本当に、大丈夫ね?」
「大丈夫だよ」
「絶対、受け止めてくれる?」
「もちろん!」
──全然怖くないと言えば、それは嘘になる。
だけど、ソウが下で両手を広げて構えてくれていると、その怖さを幾分忘れることができた。
……そうだ。
いつもソウはそうやって私を安心させてくれた。
そして、その言葉が嘘だったことはなかったはずだ。
私は両脇に手をついて、
「……降りるよ?」
と言いながら、その手にぐっと力を込めた。
「どうぞ」
そうして、上体を少しずつ前に傾けながら腰を浮かせて、ソウの胸に飛び込もうとした瞬間。
再び、ソウの携帯が大きな音をたてた。
何故だろう?
……もしここからソウの胸に飛び込めたら、私の中で何かが変わる気がした。
隠している歳のことや名前のこと、
口に出すのも辛い、蒼太との話の続き……
そんなことを、目の前にいるソウなら、全て受け止めてくれそうだった。
私はゆっくりと縁に腰掛けると、足を宙に投げ出した。
「本当に、大丈夫ね?」
「大丈夫だよ」
「絶対、受け止めてくれる?」
「もちろん!」
──全然怖くないと言えば、それは嘘になる。
だけど、ソウが下で両手を広げて構えてくれていると、その怖さを幾分忘れることができた。
……そうだ。
いつもソウはそうやって私を安心させてくれた。
そして、その言葉が嘘だったことはなかったはずだ。
私は両脇に手をついて、
「……降りるよ?」
と言いながら、その手にぐっと力を込めた。
「どうぞ」
そうして、上体を少しずつ前に傾けながら腰を浮かせて、ソウの胸に飛び込もうとした瞬間。
再び、ソウの携帯が大きな音をたてた。