三度目のキスをしたらサヨナラ
恋する受験生
それから数分後。

私がお店を出ると、背後から「待って下さい!」という声がした。


振り返ると、そこにはダウンジャケットに片腕を通しながら慌ててお店から出てくる彼の姿があった。

アルコールが入ったせいか顔は上気して紅くなっていたが、もうその目に涙は浮かんでいない。

「電車ですか? もう遅いし、駅まで送らせて下さい」

並んで立ってみると彼の背の高さがよく分かった。

ウーさんと同じくらいだろうか?

私は彼を見上げると

「大丈夫、慣れてるから」

とぶっきらぼうに言い、彼に背を向けて歩き出した。
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