三度目のキスをしたらサヨナラ
三度目のキス
ひとしきり泣いた後、私はソウの首に回していた手をゆっくりと解き、自分の上体を後ろに引いた。
「……ありがとう、ソウ」
なんだか照れくさい。
私が泣いている間、ソウはずっと私の耳元で私の名前を呼び、「大丈夫だよ……」って囁き続けてくれた。
そのたびに、私の耳にはソウの柔らかな息がかかった。
泣いている間はそんなソウとの距離を何とも思わなかったのに、今こうして落ち着いてみると、それはあまりにも近く感じられて。
私は、急に、ソウを意識してしまった。
「もう大丈夫?」
「うん……ソウのおかげ。……恨むどころか、ソウには感謝しないとね」
「俺、そんな大したことはしてないよ」
ソウは左肩を運転席の背もたれに預け、自由に動く右手を伸ばして私の髪にそっと触れた。
──雨はまだ降り続いていた。
私はその優しい手に自分の手を添えた。
「《ゲーム》……三度目も私の負けだね」
その言葉に、ソウの手の動きが止まる。
暗くてはっきりとは見えないけれど、ソウの目は潤んで光っているように見えた。
三度目のキスをしたら、
その後に待っているのはサヨナラ──。
私は覚悟を決めて、その言葉を口にした。
「お願い、ソウ。最後のキスして?」
「……ありがとう、ソウ」
なんだか照れくさい。
私が泣いている間、ソウはずっと私の耳元で私の名前を呼び、「大丈夫だよ……」って囁き続けてくれた。
そのたびに、私の耳にはソウの柔らかな息がかかった。
泣いている間はそんなソウとの距離を何とも思わなかったのに、今こうして落ち着いてみると、それはあまりにも近く感じられて。
私は、急に、ソウを意識してしまった。
「もう大丈夫?」
「うん……ソウのおかげ。……恨むどころか、ソウには感謝しないとね」
「俺、そんな大したことはしてないよ」
ソウは左肩を運転席の背もたれに預け、自由に動く右手を伸ばして私の髪にそっと触れた。
──雨はまだ降り続いていた。
私はその優しい手に自分の手を添えた。
「《ゲーム》……三度目も私の負けだね」
その言葉に、ソウの手の動きが止まる。
暗くてはっきりとは見えないけれど、ソウの目は潤んで光っているように見えた。
三度目のキスをしたら、
その後に待っているのはサヨナラ──。
私は覚悟を決めて、その言葉を口にした。
「お願い、ソウ。最後のキスして?」