三度目のキスをしたらサヨナラ
私は、最初にルールを決めたときのことを思い出して、思わず苦笑してしまった。
『勝負に勝った方が、幸せになれる』
──全くその通りになったね、ソウ。
ソウは勝負に勝って、
彼女と仲直りをして、
まさにこれから幸せになれるんだ。
「ねぇ、握手しよう?」
だけどソウは手を出そうとせず、何か言いたげな顔で私を見ていた。
「もう決めたの? ……俺が何を言っても無駄なの?」
「うん」
ソウに見つめられるだけで、ソウの声を聞くだけで、私の体は震えていた。
……もうこれ以上、ソウへの気持ちを抑えて笑い続けることは辛かった。
私は強引にソウの手を握った。
そして、大袈裟なほど大きく2回、3回とその手を上下に振る。
「ソウは、彼女を大事にしてあげて。そして私の分も幸せになるんだよ」
「……だけど」
「ソウ!」
ソウが何か言いかけたのを、私は声を荒げて止めた。
そして、ソウの目を見ながら、ゆっくりと言った。
「約束したでしょ? 三度目のキスをしたらゲームオーバー」
それはまるで、自分に言い聞かせるように。
「でも……」
「年上の言うことは聞きなさい!」
『勝負に勝った方が、幸せになれる』
──全くその通りになったね、ソウ。
ソウは勝負に勝って、
彼女と仲直りをして、
まさにこれから幸せになれるんだ。
「ねぇ、握手しよう?」
だけどソウは手を出そうとせず、何か言いたげな顔で私を見ていた。
「もう決めたの? ……俺が何を言っても無駄なの?」
「うん」
ソウに見つめられるだけで、ソウの声を聞くだけで、私の体は震えていた。
……もうこれ以上、ソウへの気持ちを抑えて笑い続けることは辛かった。
私は強引にソウの手を握った。
そして、大袈裟なほど大きく2回、3回とその手を上下に振る。
「ソウは、彼女を大事にしてあげて。そして私の分も幸せになるんだよ」
「……だけど」
「ソウ!」
ソウが何か言いかけたのを、私は声を荒げて止めた。
そして、ソウの目を見ながら、ゆっくりと言った。
「約束したでしょ? 三度目のキスをしたらゲームオーバー」
それはまるで、自分に言い聞かせるように。
「でも……」
「年上の言うことは聞きなさい!」