三度目のキスをしたらサヨナラ
バイト先へ向かういつもの電車に揺られ、
いつもの駅で電車を降り、ソウと過ごした街を歩く。
そして『ラーメン うちだ』の前を通り過ぎようとしたとき、ふと、あの日以来一度もお店に顔を出していないことに気がついた。
もともと毎日のようにお店に通っていたのは、蒼太を待つという理由があったからだった。
1ヶ月前、レストランで2人の姿を見かけた夜、私はウーさんのお店に駆け込み、人前で初めて泣いた。
その時、事情を聞いてくれたウーさんは
「蒼太を待ちたいんなら、納得いくまで通えばいい」
と言ってくれた。
だから、その目的がなくなってしまった今、『ラーメン うちだ』からは何となく足が遠のいてしまっていた。
今日、バイトの帰りに顔を出してみよう……
今、ウーさんに無性に会いたいと思うのは、それだけ私の気持ちの整理がついたからだろう。
だから、ソウのことも。
あとは、時間が解決してくれるのを待つしかない──
だけど。
ようやく穏やかに笑えるようになったのに、
ソウは決して、忘れることを許してはくれなかった。
──そして、「その時」は予期せず訪れた。
いつもの駅で電車を降り、ソウと過ごした街を歩く。
そして『ラーメン うちだ』の前を通り過ぎようとしたとき、ふと、あの日以来一度もお店に顔を出していないことに気がついた。
もともと毎日のようにお店に通っていたのは、蒼太を待つという理由があったからだった。
1ヶ月前、レストランで2人の姿を見かけた夜、私はウーさんのお店に駆け込み、人前で初めて泣いた。
その時、事情を聞いてくれたウーさんは
「蒼太を待ちたいんなら、納得いくまで通えばいい」
と言ってくれた。
だから、その目的がなくなってしまった今、『ラーメン うちだ』からは何となく足が遠のいてしまっていた。
今日、バイトの帰りに顔を出してみよう……
今、ウーさんに無性に会いたいと思うのは、それだけ私の気持ちの整理がついたからだろう。
だから、ソウのことも。
あとは、時間が解決してくれるのを待つしかない──
だけど。
ようやく穏やかに笑えるようになったのに、
ソウは決して、忘れることを許してはくれなかった。
──そして、「その時」は予期せず訪れた。