三度目のキスをしたらサヨナラ
「ミナちゃん、アイツのことが好きなんだろ?」

そんな私の様子をじっと見ていたウーさんが、優しく聞いてくる。

「うん……」

その言葉は、自分でも驚くくらい自然に出た。

ウーさんはそんな私の素直すぎる反応に少し驚いたようで、「ほぅ」と小さく呟いた。

「そうか……。いいことじゃないか」

「でも、あきらめようと思ったのよ。だからサヨナラを言って別れたの……」

「どうして?」

「だって、ソウには彼女がいて……私はただの《ゲーム》の相手で……。それなのに、今になって分からないことが沢山出てきて……」

自分が何を言いたいのか分からなくなって、私は下を向き、掌で顔を隠した。

「もう、頭の中グチャグチャ……」

そう呟いたあとの店内には、隣のカップルの笑い声だけが響いた。



その沈黙を破ったのはウーさんだった。

「その分からないことって言うのは、アイツに聞けば答えが分かるのかい?」

「うん……」

「だったら、ここでいくら悩んでても仕方ないだろ? アイツに聞くしかないじゃないか」

「……え?」

私は顔を上げてウーさんを見た。

「気になることがあるんなら、直接聞いてみればいいんだよ。サヨナラを言うのはそれからでも遅くないんじゃないか?」

ウーさんは、ゆっくりと、私の目を見て言った。

「アイツの連絡先、聞いてないの?」



ソウの、連絡先──。


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