三度目のキスをしたらサヨナラ
「コーチ、ご馳走様でしたぁ!」
そんな声が聞こえ、すっかり2人の世界に入り込んでいた隣のカップルが立ち上がった。
そして、カウンターを挟んでウーさんとしばらく話をすると、お店をあとにした。
「電話番号分かるんだろ? じっと電話とにらめっこしてないで、かけてみたら?」
そんな2人を見送ると、ウーさんは再び私の前に立った。
そして、優しい顔をして、ひとつ大きく頷いた。
「好きな男の声を聞くだけでもいいじゃないか」
「でも……」
「俺は裏にいるから、客が来たら呼んでくれ」
そう言うと、ウーさんは厨房の奥へと消えていった。
誰もいなくなった店内。
話したいことはいっぱいある。
聞きたいことだって山のようにあるけれど、
──今はただ、ソウの声を聞きたかった。
昼間、リョーコちゃんの話を聞いてから、私のなかでようやく収まりかけていたソウへの思いは再び目を覚まして、
ただ、ソウに会いたくて。
会いたくて。
ソウのことを考えるだけで、息が出来なくなりそうで。
私は思わずフッと笑みを零す。
ソウ。
あなたは私に、この恋を忘れさせてくれないつもりなの?
「全く、どこまでも強引なんだから」
──そうだ。一言、文句を言ってやろう。
私は目を閉じてひとつ大きな深呼吸をした。
そして。
携帯電話の通話ボタンを押すと、すぐに、携帯のスピーカーからソウの携帯につながるコール音が聞こえてきた。
そんな声が聞こえ、すっかり2人の世界に入り込んでいた隣のカップルが立ち上がった。
そして、カウンターを挟んでウーさんとしばらく話をすると、お店をあとにした。
「電話番号分かるんだろ? じっと電話とにらめっこしてないで、かけてみたら?」
そんな2人を見送ると、ウーさんは再び私の前に立った。
そして、優しい顔をして、ひとつ大きく頷いた。
「好きな男の声を聞くだけでもいいじゃないか」
「でも……」
「俺は裏にいるから、客が来たら呼んでくれ」
そう言うと、ウーさんは厨房の奥へと消えていった。
誰もいなくなった店内。
話したいことはいっぱいある。
聞きたいことだって山のようにあるけれど、
──今はただ、ソウの声を聞きたかった。
昼間、リョーコちゃんの話を聞いてから、私のなかでようやく収まりかけていたソウへの思いは再び目を覚まして、
ただ、ソウに会いたくて。
会いたくて。
ソウのことを考えるだけで、息が出来なくなりそうで。
私は思わずフッと笑みを零す。
ソウ。
あなたは私に、この恋を忘れさせてくれないつもりなの?
「全く、どこまでも強引なんだから」
──そうだ。一言、文句を言ってやろう。
私は目を閉じてひとつ大きな深呼吸をした。
そして。
携帯電話の通話ボタンを押すと、すぐに、携帯のスピーカーからソウの携帯につながるコール音が聞こえてきた。