三度目のキスをしたらサヨナラ
告白
コール音が鳴ったのは、ほんの一瞬。

すぐにその音は途切れ、代わりに懐かしい声が聞こえてきた。

「もしもしっ! ミナさん?」

ソウに驚かされることにはもう慣れっこになっていたけど、それでもいきなり名前を呼ばれるのは予想外だった。

まずどんな会話から始めようかと悩んでいたのに、いきなり出端をくじかれた私は

「うん……」

としか言えず。

するとソウは、いつもと変わらないテンションで

「うわぁ……なんか……感動」

と呟いた。


「……私だって、どうして分かったの?」

「なんでだろうね。ピンときたんだ、絶対ミナさんからだ!って」


それは1週間ぶりに話をするというのに、何の緊張もないやりとりだった。

電話越しに聞くソウの声は、すぐ隣で聞いていた声とは違って少し高めで、機械を通した分だけこもって聞こえた。

ううん。
それだけではなくて、少ししゃがれているような気もした。

私はもっとソウの声を聞きたくて、携帯のスピーカーに耳をぎゅっと押し当てた。
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