三度目のキスをしたらサヨナラ
「こうして電話もらえたら、腹立たしい気持ちも消えちゃったよ。……それよりミナさんは元気だった?」
「……うん」
「もう、泣いたりしてない?」
「……うん、大丈夫よ」
大丈夫。
それは、偽りのない気持ちのはずだった。
だけど、ソウの声を聞いた今、私は震える声を隠すのが精一杯で。
どうしてだろう? 気を抜くと、涙が出そうだった。
「私は……大丈夫だよ」
それはまるで自分に言い聞かせるように。
私は静かに繰り返した。
「ふーん、そうなんだ」
ソウの声は少し暗かった。
次に溜息が聞こえ、一呼吸置いてソウは不満げに言った。
「ミナさんって、案外タフだよね。俺はこの1週間、ずっと辛かったっていうのに」
「……どういうこと?」
「風邪もきつかったけど、それより失恋のショックから立ち直れてなくてね」
私の脳裏にリョーコちゃんの顔が浮かぶ。
そしてリョーコちゃんの口から出た、『他に好きな人が出来た』という言葉……。
ソウの失恋の相手って──
「リョーコちゃん……なんだよね?」
「……うん」
「もう、泣いたりしてない?」
「……うん、大丈夫よ」
大丈夫。
それは、偽りのない気持ちのはずだった。
だけど、ソウの声を聞いた今、私は震える声を隠すのが精一杯で。
どうしてだろう? 気を抜くと、涙が出そうだった。
「私は……大丈夫だよ」
それはまるで自分に言い聞かせるように。
私は静かに繰り返した。
「ふーん、そうなんだ」
ソウの声は少し暗かった。
次に溜息が聞こえ、一呼吸置いてソウは不満げに言った。
「ミナさんって、案外タフだよね。俺はこの1週間、ずっと辛かったっていうのに」
「……どういうこと?」
「風邪もきつかったけど、それより失恋のショックから立ち直れてなくてね」
私の脳裏にリョーコちゃんの顔が浮かぶ。
そしてリョーコちゃんの口から出た、『他に好きな人が出来た』という言葉……。
ソウの失恋の相手って──
「リョーコちゃん……なんだよね?」