三度目のキスをしたらサヨナラ
「え……? どうしてその名前を?」
ソウが驚いた声をあげる。
「あのね、今日、リョーコちゃんに会ったの。バイト先に友達と来ていて。……ほら、漁港で写真見せてもらったでしょ? だから、すぐ分かったの」
「あぁ……そうなんだ……」
「ソウとホテルで会ったときの話をしてた……。リョーコちゃん、すごくいい子だったよ」
「うん……」
リョーコちゃんの名前を出した途端、あれだけテンションの高かったソウが黙ってしまった。
そして、沈黙が続く──。
なんだかその沈黙が苦しくて、緊張で私の喉はカラカラで。
私は目の前のグラスを手に取り、水を一気に飲み干した。
ゴクリ、と言う大きな音がして、ソウに聞かれてしまったんじゃないかと恥ずかしくなる。
だけど、電話の向こうのソウは何も言わなかった。
私は、思い切って聞いた。
「……ソウは私の名前、最初から知ってたんだね」
「うん」
それはいとも簡単に。
ソウはあっさりとそう答えた。
「だったら……最初のキスの後、『ミナ』って呼んだのはどうして?」
ソウのフッという笑みが私の耳を優しくくすぐる。
そして、まるで囁くように、ソウは言った。
「だって、ミナさんみたいな素敵な人とキスしたあとだよ? 他の人の名前を呼ぶなんて、そんな失礼なことできるわけないじゃん」
ソウが驚いた声をあげる。
「あのね、今日、リョーコちゃんに会ったの。バイト先に友達と来ていて。……ほら、漁港で写真見せてもらったでしょ? だから、すぐ分かったの」
「あぁ……そうなんだ……」
「ソウとホテルで会ったときの話をしてた……。リョーコちゃん、すごくいい子だったよ」
「うん……」
リョーコちゃんの名前を出した途端、あれだけテンションの高かったソウが黙ってしまった。
そして、沈黙が続く──。
なんだかその沈黙が苦しくて、緊張で私の喉はカラカラで。
私は目の前のグラスを手に取り、水を一気に飲み干した。
ゴクリ、と言う大きな音がして、ソウに聞かれてしまったんじゃないかと恥ずかしくなる。
だけど、電話の向こうのソウは何も言わなかった。
私は、思い切って聞いた。
「……ソウは私の名前、最初から知ってたんだね」
「うん」
それはいとも簡単に。
ソウはあっさりとそう答えた。
「だったら……最初のキスの後、『ミナ』って呼んだのはどうして?」
ソウのフッという笑みが私の耳を優しくくすぐる。
そして、まるで囁くように、ソウは言った。
「だって、ミナさんみたいな素敵な人とキスしたあとだよ? 他の人の名前を呼ぶなんて、そんな失礼なことできるわけないじゃん」