三度目のキスをしたらサヨナラ
「……どういうこと?」
ソウが何を考えているのか、全く分からない。
私はただ、ソウの次の言葉を待つことしかできなかった。
「かなり強引な解釈だけど怒らないでね。それと反論は受け付けないから!」
そして、ソウの説明は始まった──。
「一度目のキス。あれは引き分けじゃなくて完全に俺の負けなんだよ。だって俺はあの時、ミナさんのことばかり考えていたんだからね」
一度目のキス。
あの時は確か、お互いに失恋した相手のことを考えていた……はずだ。
そして、翌日再会した時にそのことを確認して、傷ついた心を慰め合うことで楽になれるのならと、ソウが《ゲーム》を提案して。
「だけど、あの場で『ミナさんのことを考えてました』なんて正直に言うわけにいかなかったから、とりあえず引き分けっていうことにしたんだ」
「そんな後出しジャンケンみたいなこと……ズルい」
ソウは笑って続けた。
「本当のことを言うとね、あの《ゲーム》は、ミナさんのことが気になってもっと知りたくて、そんな気持ちから生まれた俺の作戦だったんだ。もちろん俺だって失恋したばかりで、その傷を癒したいっていう気持ちは本当だったんだよ? ……まぁ、俺の傷は、ミナさんに恋をすることで癒されたわけだけど」
辛い恋を忘れるには、新しい恋を──。
かつて読んだ恋愛小説に、そんなフレーズがあったような気がする。
ソウが何を考えているのか、全く分からない。
私はただ、ソウの次の言葉を待つことしかできなかった。
「かなり強引な解釈だけど怒らないでね。それと反論は受け付けないから!」
そして、ソウの説明は始まった──。
「一度目のキス。あれは引き分けじゃなくて完全に俺の負けなんだよ。だって俺はあの時、ミナさんのことばかり考えていたんだからね」
一度目のキス。
あの時は確か、お互いに失恋した相手のことを考えていた……はずだ。
そして、翌日再会した時にそのことを確認して、傷ついた心を慰め合うことで楽になれるのならと、ソウが《ゲーム》を提案して。
「だけど、あの場で『ミナさんのことを考えてました』なんて正直に言うわけにいかなかったから、とりあえず引き分けっていうことにしたんだ」
「そんな後出しジャンケンみたいなこと……ズルい」
ソウは笑って続けた。
「本当のことを言うとね、あの《ゲーム》は、ミナさんのことが気になってもっと知りたくて、そんな気持ちから生まれた俺の作戦だったんだ。もちろん俺だって失恋したばかりで、その傷を癒したいっていう気持ちは本当だったんだよ? ……まぁ、俺の傷は、ミナさんに恋をすることで癒されたわけだけど」
辛い恋を忘れるには、新しい恋を──。
かつて読んだ恋愛小説に、そんなフレーズがあったような気がする。