三度目のキスをしたらサヨナラ
しばらくすると、再び車内にアナウンスが流れた。
それは新幹線が次の駅、新横浜駅へ到着したことを告げるアナウンスだった。
そのアナウンスをきっかけに乗客の動きは慌ただしくなり、私の斜め前に座っていた乗客も立ち上がってコートを手に取り通路へ出る。
そんな車内の様子を眺めながら、繰り返しアナウンスされる『横浜』という単語を聞いていると、私は自分が本当に東京を離れているんだということを改めて実感した。
そして、ふと、多華子のことを思い出した。
そうだ。
またあの雨の日のように心配させてしまうから、一言だけでも伝えておかないと。
私は隣の席に投げ出したままになっていた鞄を引き寄せると、中から携帯を取り出した。
「え……?」
そして。
私は、その時ようやく気がついた。
私の手の中の携帯が、着信を知らせる点滅を続けていたことを。
胸騒ぎがして慌てて携帯を開くと、そこには《着信あり》の表示。
着信時刻はほんの数分前、
そして発信元は「名称未登録」。
──それは、ソウからの着信だった。
どうしてだろう?
その表示を見た途端、私の心臓がドキドキと大きな音を立て始めた。
「ソウ……?」
私は携帯を握りしめると、鞄を手に席を立ち、再び通路へと飛び出した。
それは新幹線が次の駅、新横浜駅へ到着したことを告げるアナウンスだった。
そのアナウンスをきっかけに乗客の動きは慌ただしくなり、私の斜め前に座っていた乗客も立ち上がってコートを手に取り通路へ出る。
そんな車内の様子を眺めながら、繰り返しアナウンスされる『横浜』という単語を聞いていると、私は自分が本当に東京を離れているんだということを改めて実感した。
そして、ふと、多華子のことを思い出した。
そうだ。
またあの雨の日のように心配させてしまうから、一言だけでも伝えておかないと。
私は隣の席に投げ出したままになっていた鞄を引き寄せると、中から携帯を取り出した。
「え……?」
そして。
私は、その時ようやく気がついた。
私の手の中の携帯が、着信を知らせる点滅を続けていたことを。
胸騒ぎがして慌てて携帯を開くと、そこには《着信あり》の表示。
着信時刻はほんの数分前、
そして発信元は「名称未登録」。
──それは、ソウからの着信だった。
どうしてだろう?
その表示を見た途端、私の心臓がドキドキと大きな音を立て始めた。
「ソウ……?」
私は携帯を握りしめると、鞄を手に席を立ち、再び通路へと飛び出した。