三度目のキスをしたらサヨナラ
──K駅着、21時11分。
私はドアが開くわずかな時間も待ちきれない思いで新幹線を飛び出し、駅のホームへ降り立った。
暖房の効いた新幹線の車内から一歩外に出ると、外気がとても冷たくて、はぁっと吐いた息がみるみる白くなる。
私は、目の前に広がっている隣のホームへ視線を移した。
そこでは長い列を作った乗客たちが、列車の入ってくる方向を見つめてその到着を待っていた。
──もうすぐだ。
私の頭上で耳をつんざくような発車ベルの音が鳴り響き、私が乗っていた新幹線は次第に速度を上げて私の背後を通過していった。
──21時13分。
すると、入れ替わるように、隣のホームに大阪方面からの新幹線が入ってきた。
その列車が私の視界を邪魔して、隣ホームの様子が全く見えなくなる。
──21時14分。
車内で時刻表を何度も見返していたせいで、2本の新幹線の発着時刻はすっかり頭に入っていた。
それは、できすぎた偶然だった。
乗客の乗降を終えた《のぞみ56号》はゆっくりと滑り出し、私の目の前には再び隣のホームが現れた。
「あぁ……」
思わずそんな溜息が口から漏れる。
新幹線から降りてきた人混みの中、長身で1人だけ頭が飛び出ている人がいる。
「ソウ……!」
──21時15分。
それは私がK駅に降り立ってからほんの4分後のこと。
私は、遂に、ソウの姿を見つけた。
私はドアが開くわずかな時間も待ちきれない思いで新幹線を飛び出し、駅のホームへ降り立った。
暖房の効いた新幹線の車内から一歩外に出ると、外気がとても冷たくて、はぁっと吐いた息がみるみる白くなる。
私は、目の前に広がっている隣のホームへ視線を移した。
そこでは長い列を作った乗客たちが、列車の入ってくる方向を見つめてその到着を待っていた。
──もうすぐだ。
私の頭上で耳をつんざくような発車ベルの音が鳴り響き、私が乗っていた新幹線は次第に速度を上げて私の背後を通過していった。
──21時13分。
すると、入れ替わるように、隣のホームに大阪方面からの新幹線が入ってきた。
その列車が私の視界を邪魔して、隣ホームの様子が全く見えなくなる。
──21時14分。
車内で時刻表を何度も見返していたせいで、2本の新幹線の発着時刻はすっかり頭に入っていた。
それは、できすぎた偶然だった。
乗客の乗降を終えた《のぞみ56号》はゆっくりと滑り出し、私の目の前には再び隣のホームが現れた。
「あぁ……」
思わずそんな溜息が口から漏れる。
新幹線から降りてきた人混みの中、長身で1人だけ頭が飛び出ている人がいる。
「ソウ……!」
──21時15分。
それは私がK駅に降り立ってからほんの4分後のこと。
私は、遂に、ソウの姿を見つけた。