三度目のキスをしたらサヨナラ
次にルールを提案したのは私だった。

「あと……私からもひとつあるんだけど、いい?」

「なに?」

「キスは、あと1回か……多くても2回までにしたいんだけど」

「いいけど……どうして?」

「いくらゲームでも、そんなに何度もキスしちゃうと情が移るかも知れないから」

彼は箸でつまんだ白菜の漬物を口に放り込みながら、小声で「そうかぁ……」と呟いた。

「ほら、後々面倒になるようなことは避けたいじゃない?」

私は慌てた。
まるで自分が彼を意識しているみたいで、イヤだった。

「分かったよ、じゃあ、昨日のキスを合わせて、三度目のキスをしたらゲームオーバーにしよう」

「うん」

「でも、昨日のキスは……引き分けにするとして……残りが1勝1敗になったときはどうする?」

「そのときは……」

「延長戦あり?」

「……じゃあ、引き分けのときだけ」

「了解!」

こうして、新しいルールが追加された。
< 55 / 226 >

この作品をシェア

pagetop