三度目のキスをしたらサヨナラ
『ラーメン うちだ』で泣く男
【1日目・2月15日】
赤暖簾をくぐると、そこはカウンター席が5つだけの、小さな空間。
BGMはない。
立ちこめる湯気の奥に、真っ白な割烹着を着た店主が立っていて、いつものように私に声をかけてくれた。
「ミナちゃん、いらっしゃい」
ここは『ラーメン うちだ』。
蕎麦かうどん屋のほうが似合いそうなそのネーミングは、店主「ウーさん」の本名、打田からきている。
ウーさんは30代半ばから後半。
学生時代からラグビーをやっていて、今でもお店近くの大学でコーチを務めている。
180センチ以上ある背丈に、しっかりしたがたい。
おまけにスキンヘッドに無精ひげ。
初めてこの店を訪れ、いかついウーさんの風貌を目にした人は、まず驚いて顔をこわばらせる。
「こんばんは、ウーさん」
私はいつも座る右端の席に腰掛けると、手を伸ばして横に設置されているウォーターサーバーでグラスに水を注ぎ、
「おいしいラーメンと、酸っぱいキムチちょうだい」
と、いつも道りの注文をした。
赤暖簾をくぐると、そこはカウンター席が5つだけの、小さな空間。
BGMはない。
立ちこめる湯気の奥に、真っ白な割烹着を着た店主が立っていて、いつものように私に声をかけてくれた。
「ミナちゃん、いらっしゃい」
ここは『ラーメン うちだ』。
蕎麦かうどん屋のほうが似合いそうなそのネーミングは、店主「ウーさん」の本名、打田からきている。
ウーさんは30代半ばから後半。
学生時代からラグビーをやっていて、今でもお店近くの大学でコーチを務めている。
180センチ以上ある背丈に、しっかりしたがたい。
おまけにスキンヘッドに無精ひげ。
初めてこの店を訪れ、いかついウーさんの風貌を目にした人は、まず驚いて顔をこわばらせる。
「こんばんは、ウーさん」
私はいつも座る右端の席に腰掛けると、手を伸ばして横に設置されているウォーターサーバーでグラスに水を注ぎ、
「おいしいラーメンと、酸っぱいキムチちょうだい」
と、いつも道りの注文をした。