三度目のキスをしたらサヨナラ
交差点に差し掛かる手前で信号が赤に変わり、私たちを乗せた車は急ブレーキをかけて止まった。
「はぁーっ」
がっくりと頭をうなだれてハンドルに突っ伏すソウ。
「沖縄って……ミナさん、いくらなんでもそれは無理だよ」
「だよね、残念でした」
ソウのがっかりした様子が面白くて、私はクスクス笑った。
ソウは頭をうなだれたまま、視線を私に向けた。
その黒くて大きな瞳が恨めしそうに私を見つめている。
そんなソウのことを「かわいい」なんて言ったら、怒られるかな……。
「ミナさん、今日は何時まで大丈夫なの?」
「17時からバイトだから、16時すぎにはさっきの駅前に帰りたいけど」
ソウは少し考えた後、姿勢を正してハンドルを握りなおした。
「──いいよ、海だね。沖縄じゃないけど、俺のお薦めの海に連れて行ってあげる」
車は信号の変わった交差点にゆっくりと進入していく。
交差点を過ぎると、ソウはスピードを加速させて左折レーンへと車線を変更した。
頭上には、高速道路入り口を案内する看板。
「あーでも、あそこに行くんならもうちょっと早く出ればよかったなぁ」
「え?」
「あと……長靴も」
長靴?
この寒いのに、潮干狩りでもする気?
私は一抹の不安を覚えた。
「ねえ、私はどこに連れて行かれるの?」
ソウは前を向いたまま、鼻歌まじりに、こう答えた。
「──海と言えば、漁港でしょ?」
「はぁーっ」
がっくりと頭をうなだれてハンドルに突っ伏すソウ。
「沖縄って……ミナさん、いくらなんでもそれは無理だよ」
「だよね、残念でした」
ソウのがっかりした様子が面白くて、私はクスクス笑った。
ソウは頭をうなだれたまま、視線を私に向けた。
その黒くて大きな瞳が恨めしそうに私を見つめている。
そんなソウのことを「かわいい」なんて言ったら、怒られるかな……。
「ミナさん、今日は何時まで大丈夫なの?」
「17時からバイトだから、16時すぎにはさっきの駅前に帰りたいけど」
ソウは少し考えた後、姿勢を正してハンドルを握りなおした。
「──いいよ、海だね。沖縄じゃないけど、俺のお薦めの海に連れて行ってあげる」
車は信号の変わった交差点にゆっくりと進入していく。
交差点を過ぎると、ソウはスピードを加速させて左折レーンへと車線を変更した。
頭上には、高速道路入り口を案内する看板。
「あーでも、あそこに行くんならもうちょっと早く出ればよかったなぁ」
「え?」
「あと……長靴も」
長靴?
この寒いのに、潮干狩りでもする気?
私は一抹の不安を覚えた。
「ねえ、私はどこに連れて行かれるの?」
ソウは前を向いたまま、鼻歌まじりに、こう答えた。
「──海と言えば、漁港でしょ?」