三度目のキスをしたらサヨナラ
高速道路を1時間ほど走った後、一般道に降りた私たちは道筋にある道の駅に立ち寄った。
今日のようなオフシーズンの平日、主に観光ドライバーの休憩施設として利用されている道の駅は閑散としている。
広々とした駐車場に車を止めると、ソウは大きな背伸びをしながら車を降りた。
「ここまで来ると、さすがに空が広いね」
いつも見ているのは、高層ビルや電柱の隙間から顔をのぞかせる空。
だけど、見上げた空には雲のかけらもなくて、一面に青色が広がっていた。
そんな大きな空は、まるでソウそのもの……。
「うん、気持ちがいいね」
私はソウに笑顔を返した。
店員1人しかいない売店に入り昼食のパンを選んでいると、ふいにソウの姿が消えた。
だけど背の高いソウを見つけるのは簡単で、店内をぐるっと見回しただけで簡単に店の奥方の商品棚から飛び出ているソウの頭を見つけることが出来る。
「何を見てるの?」
ソウの側へ行くと、すぐにその理由が分かった。
そこは、釣具コーナーだった。
「ソウ! 釣りはしないんでしょ?」
「うん。でも、見るだけ……」
「はいはい、“また今度”にしてね」
ソウは手に持っていた釣竿を名残惜しそうに棚に返した。
「ほら、行こう!」
私は、未練たらたらのソウの腕を強引に掴んで、釣具コーナーから離れた。
「ミナさん、なかなか力が強いねー」
「そういうこと言わないの。早くパンを選んで」
「あ、俺はおにぎりのほうがいいな」
私たちは、そんなとりとめのないやりとりを笑いながら重ねた。
今日のようなオフシーズンの平日、主に観光ドライバーの休憩施設として利用されている道の駅は閑散としている。
広々とした駐車場に車を止めると、ソウは大きな背伸びをしながら車を降りた。
「ここまで来ると、さすがに空が広いね」
いつも見ているのは、高層ビルや電柱の隙間から顔をのぞかせる空。
だけど、見上げた空には雲のかけらもなくて、一面に青色が広がっていた。
そんな大きな空は、まるでソウそのもの……。
「うん、気持ちがいいね」
私はソウに笑顔を返した。
店員1人しかいない売店に入り昼食のパンを選んでいると、ふいにソウの姿が消えた。
だけど背の高いソウを見つけるのは簡単で、店内をぐるっと見回しただけで簡単に店の奥方の商品棚から飛び出ているソウの頭を見つけることが出来る。
「何を見てるの?」
ソウの側へ行くと、すぐにその理由が分かった。
そこは、釣具コーナーだった。
「ソウ! 釣りはしないんでしょ?」
「うん。でも、見るだけ……」
「はいはい、“また今度”にしてね」
ソウは手に持っていた釣竿を名残惜しそうに棚に返した。
「ほら、行こう!」
私は、未練たらたらのソウの腕を強引に掴んで、釣具コーナーから離れた。
「ミナさん、なかなか力が強いねー」
「そういうこと言わないの。早くパンを選んで」
「あ、俺はおにぎりのほうがいいな」
私たちは、そんなとりとめのないやりとりを笑いながら重ねた。