三度目のキスをしたらサヨナラ
左手に海が見えてきたのは、それから数分後のことだ。
ふと時計に目をやると、時刻はちょうど正午。
もう2時間もソウとドライブをしているんだ……。
「そろそろお昼だね、ミナさんはお腹減ってない?」
「うーん……ちょっとだけ」
「先に食べててもいいよ? パンだけじゃ足りなかったら俺のおにぎりもどーぞ」
「そんなに沢山食べられないって」
私たちはこんなあたりさわりのない会話を続けながら、車中での時間を過ごしてきた。
あんなに張り切っていたはずなのに、ソウは《ゲーム》について一切触れようとしなくて、それがかえって気味悪かった。
しばらくすると、車は信号のない交差点を左折した。
周辺は何の看板も目印も出ていないような目立たない場所なのに、曲がった先にはしっかりと整備された駐車場があった。
「さあ、着いたよ」
ソウはそのまま前進して、一番奥の列に頭から車を突っ込んだ。
目の前には一面の海が広がっている。
車から降りた途端、海からの潮風にあおられて私の髪が舞い上がった。
「うわっ」
私は慌てて、強い風を避けるように海に背中を向けると、両手で髪を押さつけた。
強烈な潮の香りが私の体や服に絡み付いてくる。
「風が冷たいね。寒くない?」
ソウがさりげなく私の背後に立つと、その大きな体が風除けになって私の周りの風がピタリとやんだ。
ふと時計に目をやると、時刻はちょうど正午。
もう2時間もソウとドライブをしているんだ……。
「そろそろお昼だね、ミナさんはお腹減ってない?」
「うーん……ちょっとだけ」
「先に食べててもいいよ? パンだけじゃ足りなかったら俺のおにぎりもどーぞ」
「そんなに沢山食べられないって」
私たちはこんなあたりさわりのない会話を続けながら、車中での時間を過ごしてきた。
あんなに張り切っていたはずなのに、ソウは《ゲーム》について一切触れようとしなくて、それがかえって気味悪かった。
しばらくすると、車は信号のない交差点を左折した。
周辺は何の看板も目印も出ていないような目立たない場所なのに、曲がった先にはしっかりと整備された駐車場があった。
「さあ、着いたよ」
ソウはそのまま前進して、一番奥の列に頭から車を突っ込んだ。
目の前には一面の海が広がっている。
車から降りた途端、海からの潮風にあおられて私の髪が舞い上がった。
「うわっ」
私は慌てて、強い風を避けるように海に背中を向けると、両手で髪を押さつけた。
強烈な潮の香りが私の体や服に絡み付いてくる。
「風が冷たいね。寒くない?」
ソウがさりげなく私の背後に立つと、その大きな体が風除けになって私の周りの風がピタリとやんだ。