移り変わる季節とともに
奏道に迷った?

それとも海と山を言い間違えたの?

そう思うくらい木とか民家しかない。


「ついたよ!!」

自転車が止まった所は草と木で出来た壁と畑か田んぼみたいしか見えないところ。


「どこについたの!?」

「俺の海!」

俺のって...

いやそれより海なんてみえないから。

呆然としてる私をよそに奏は自転車を降りて草と木で出来た壁に頭を突っ込んだ。

正直頭をどこかでぶつけたんじゃないかと思った。

そしてその行動のせいで余計に訳が分からなくなった。


「葵もこっちこいよ!!」

声は聞こえたけど奏の姿がない。

私も頭を突っ込むの...?


「早くしろって!
 穴広げてやるから。」

言葉通り奏は自分の通っていった穴を入りやすいように大きくしてくれた。

...今日ワンピ着てこなくてよかった。

そう思いながら私は奏の広げてくれた穴をくぐった。
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