風神,雷神を操る者
〜シェーナside〜
「みなさん、大丈夫ですか?」
幸いにも死人や重症者は出ておらず、魔法学校の先生の指示の下で避難させる。
あたしも治癒の術で軽傷者の治療にあたっていた。
≪シェーナ!ここにおったか。≫
という声が、近くにある噴水の中から聞こえた。
「その声は…水伯様ッ!?」
あたしが突然大声を出したため、その場にいた人々の視線が、あたしに向けられた。
≪久しぶりじゃな、この地の民たちよ。≫
水伯様が水面からゆっくりと現れる。