風神,雷神を操る者
形勢逆転
〜シェーナside〜
戦場の様子は、風神様の結界の外の被害は最小限で済んでいた。
けど……
結界の中は 言葉を失うほど酷かった。
建物は全壊し跡形もなく消えている。
今日の朝咲いていた花も…木も…。
壊れることはないといわれていた教会も、十字架を残し跡形もなく消えていた。
「ヒドイ……」
自然に涙が出てきた。
「さぁ、行くぞ…。」
そう言って、ウェイズは静かに私の涙を左手で拭い、持ち場へ向かう。
ウェイズの手は優しく、暖かかった。
今は厚い雲に覆われて見えない、太陽のように。
「さぁ、形勢逆転と行きますか…」