風神,雷神を操る者


信じ固い俺の過去。

知っていた。

俺には、本当の両親がいないことぐらい……


『ウェイズ。ウェイズ』

頭のなかに、たくましく背中を押すような声が聞こえる。

「誰だッ!?」


警戒をしているはずなのに、自然と一筋の涙が頬を伝う。

『我は、滅んだウェイル族の者だ。早く我が唱えし呪文を唱えなさい。』


「はい。」


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