牙龍 私を助けた不良 上
「うわっ!!!」
物凄い早さでガバッと起き上がる、そして痛そうな顔をした。頬に当てていたペットボトルが落ちて膝に落ちたからだ。
痛そうな顔をする勇人に触れようとしたが、女嫌いだっことを思い出して手を引っ込めた。
・・・私が心配しても、勇人は嫌がるだろうな。それを見ていた暁が、私に言った。
「勇人は俺が見とくから、凜華ちゃんは龍騎と遊んできたらええで」
気使うような暁の表情に、木藤をちらっと見ると手を差し出している。
「・・・分かった」
立ち上がって龍騎の手に、自分の手を重ねると木藤はそのまま、私を引っ張って海の方に連れて来た。