牙龍 私を助けた不良 上




* * * * * *



「静か・・・」



夕暮れの砂浜。


波が寄せては返し、少しずつ満ちていく。歩いた足跡が、波にさらわれた砂に消されていく。


海特有の潮風が昼間と変わらず頬を擽り、髪と戯れていく。


眺めていたら過去を思い出して、堪らなくなって荷物を脱衣所に残してここへやって来た。




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