牙龍 私を助けた不良 上




お腹が満たされた頃、ビールを飲み終えた木藤が言った。



「凜華」


「ん?」


「早めに風呂行っとけ」


「分かった」



素直に従い、あいさつを済ませるとにぎやかな部屋を出て、着替えを置いたままの露天風呂へ向かった。


脱衣所に入ると、羽織っていた薄手のカーデを脱ぐ。すぐに目が行くのは左二の腕。


──緋色の龍。





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