牙龍 私を助けた不良 上




暴牙の倉庫について直ぐ、幹部室に向かって走り出した。多くの雑魚を倒しながら、ひたすら。


そして、幹部室の手前に来た時に人だかりがあるのに気が付いた。


その中心には椅子に手足を縛られていた桃華が見えた。



『桃華っ!!』


『お姉ちゃっ・・・』



凜華ちゃん、と呼ぶはずの桃華が私をお姉ちゃんと呼んだことに驚いた。


瞳から溢れる涙で桃華の頬は濡れていた。今にも、叫び出しそうに顔を歪めていた。





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