牙龍 私を助けた不良 上
「志貴」
「あと少しなので待って下さい」
志貴は珍しく真剣そうな声でそう言った。
そうかと返して近くのソファーに座った。
このところ、志貴はパソコンを毎日弄っている。学校でも溜まり場でも。
何かを嗅ぎ回っているようで、何のためかは分からないが多分俺達にも関わってるだろう。
「何をボケッとしとんや、龍騎」
「・・・さぁな」
少し窶(ヤツ)れたような暁がやって来て、反対側にあるソファーに座った。
ようやく陸斗と海斗が解放してくれたらしい。・・・大変だな。