牙龍 私を助けた不良 上
凜華と緋龍?
・・・確かに、凜華は殺気放ってくるし睨んでくるし、普通の女とは違うと言える。
だが、あの緋龍と凜華に関わりがあったとは考えにくい。
そんな俺の考えが伝わったのか、真面目な顔をして志貴は俺に行った。
「凜華さん、ブラックロザリオのネックレスをしていますよね?」
「あぁ。いつも着けてる」
凜華にとって大切なモノに見える。おそらく無意識にとっている行動だと思うが、宝物のように撫でている時がある。
その時の目は、悲しげで今にも消えてしまいそうなほど弱々しい。
「緋龍もブラックロザリオのネックレスをしていました」
「・・・・・」
「二人のネックレスの形状、色、サイズ等を比較してみました」
「・・・やけに執着しとるな」
隣で映像を見ていた暁がそう言った。確かに、執着しているように見える。