牙龍 私を助けた不良 上
素性の分からない凜華のことを知りたいのは同じだが、志貴の場合はハッキング出来なかったからってのも有りそうだ。
「紳士の顔してるのに」
「意外に腹黒いし」
「「志貴は負けず嫌いだからねぇ」」
「確かに」
枕投げに飽きたらしい二人と、テレビが終わったらしい勇人もやって来た。
陸斗と海斗は、志貴の幼馴染みだからよく知ってるんだろうな。染々と語るように言うからには。
「何か分かったのか?」
話を急かす勇人。女嫌いのコイツにしては珍しい。やっぱり、凜華は普通の女とは違う。
「詳しく、とは無理でしたがいくつか収穫はありました」
自慢気な口振りに、よほど嬉しかったんだなと何と無く思った。そして、ヤツは言った。
「七割方、同一のモノのようです」
七割方・・・。そんなに可能性があったのか。
そこではたと気付いた。