牙龍 私を助けた不良 上
彩り、花は淡く




時は速いもので、もう夏休みは半ばに差し掛かっている。日射しが暑い。


ミーンミンミンミーーン・・・


ミーンミンミンミーーン・・・


セミが歌うように鳴いているのを、煩いと言いたげなカラフル頭の不良達。そんな彼等を見ながら、下敷きを団扇代わりにして動かす。


パタパタ、パタパタ動かせば風がやって来るがピタリと止めると暑いし暑い。


悪循環を繰り返しながら手元のプリントを眺めて、シャーペンでカリカリと文字を書いていく。


帝牙高校は補修中。多くの生徒がグータラしながら、プリントとにらめっこ。


態度は・・・うん、良くないけど問題を解こうとしている姿は、いかつい顔や図体からは想像できない。






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