牙龍 私を助けた不良 上
青い瞳が交差して、我を失いかけてパッと視線を反らした。なおも、微かに視線を感じるが気にしなかった。
なかなかプリントに集中できなかったが、気にしないようにした。
この頃どうにも私はおかしい。
木藤に頼ると決めたあの日から、何故かあいつを直視することが出来なくなった。
あいつの声を聞くと、訳もなく胸の辺りが何て言うかこう・・・、キューって感じで痛くなって苦しくなる。
体温に異常はないし、身体の何処にも異常はなかった。
考えても考えても分からない。不思議だけど何でだろう。