牙龍 私を助けた不良 上
「こ、これから文化祭について説明しますから、せせ、席に付いてください・・・」
・・・かなり、噛んでるよ。
不良が怖いからか噛んでるし、学級委員長の女の子の後ろに隠れるようにして、パイプ椅子に座った。
そんな様子を見ながら、学級委員長──長いから委員長でいいや。彼女に視線を向ける。
「二学期に入ったら、10月に開催が予定されている文化祭に向けて、準備が始まります。今日は──」
淡々と話していく委員長を見て、ふと思う。
・・・文化祭とか、初めてだ。
去年、高校に通ってなかったから文化祭は初めて。中学の時に文化祭はあったけど、参加しなかった。
──あの頃は、一番荒れてたから。
ママが上手く誤魔化してくれたけど、中二くらいはサボってたし。三年の時は、身体も心もボロボロだったから。