牙龍 私を助けた不良 上




「こ、これから文化祭について説明しますから、せせ、席に付いてください・・・」



・・・かなり、噛んでるよ。


不良が怖いからか噛んでるし、学級委員長の女の子の後ろに隠れるようにして、パイプ椅子に座った。


そんな様子を見ながら、学級委員長──長いから委員長でいいや。彼女に視線を向ける。



「二学期に入ったら、10月に開催が予定されている文化祭に向けて、準備が始まります。今日は──」



淡々と話していく委員長を見て、ふと思う。


・・・文化祭とか、初めてだ。


去年、高校に通ってなかったから文化祭は初めて。中学の時に文化祭はあったけど、参加しなかった。


──あの頃は、一番荒れてたから。


ママが上手く誤魔化してくれたけど、中二くらいはサボってたし。三年の時は、身体も心もボロボロだったから。






< 162 / 476 >

この作品をシェア

pagetop