牙龍 私を助けた不良 上
今年は凜華ちゃんもおるし、サボってばっかの龍騎も出るんやないやろうか。
俺と志貴は毎年出とるけどな。特に何もないから出てないとあかんやろ。出席日数危うくなるし。
「僕は今年も出ますよ」
「真面目だな」
「勇人も出ますよね?」
志貴が腹黒い笑顔を浮かべて、顔を引き吊らせた勇人を脅していた。
双子は面白かったらしく、クスクスと忍び笑いをしとるし、勇人は若干涙目になっとる。
龍騎は興味ないんか、相変わらずムッスーとしとる。今年は何や、楽しくなりそうやなぁ。
さんさんと照り付ける太陽の下、賑やかな仲間達を見ながら静かにそう思った。